「百獣の王」を目指すタレントさんが良く着ていて、「H」の文字が袖口などに刺繍されているシリーズのある東京・代官山にある洋品店。洒落ている服ばかりで、度々覗いていました。ロングTシャツが欲しいなと思っていた10月のある日、その洋品店で気に入ったシャツを見つけて購入しました。
それから1ヶ月あまり。
数回着た先日、首のところのステッチが解れて数センチにわたって割けてしまっている事に気付きました。これは縫製に問題があるのでは?と思い、今後の製品づくりに生かしてもらえれば!と、モノづくりに携わる者としての「お節介」的気持ちも高まって、早速、品物を持ってショップを訪ねてみました。
要件が要件だけに目立たないところでこっそりと話をしよう、と思っていましたが、人気のショップだけあって平日にも関わらず、お客様が多くいらっしゃいました。
レジ周辺にいる方は店の中でも偉い方が多いはず!と予想して、ちょうどレジのところにいらした方に、「ちょっと見て頂きたい品物があるのですが」と話し掛けました。
購入した際のレシートと共に品物を見て頂くと、
「ご購入頂いてから1ヶ月あまりでこんな風になったと言う話を聞いた事がありません。」との事。
「決して乱暴に扱った訳でなく、今後の製品づくりに何かしら生かして頂きたいとお節介ながらも思いまして・・・」とバッグ作りに携わっている事も交えて話をすると、「お客様がものを乱暴に扱う方には決して見えません!これは良品と交換させて頂きます。」とすぐさま新しいシャツを持って来て下さいました。
「いや、別に交換して貰いたくて伺った訳ではなくて・・・」と急に汗も吹き出しましたが、「これをお預かりして工場にも申し伝えをしますので・・・」と。
「では、遠慮無く」「また買い物をしに伺います!」と店をあとにしました。物凄く丁寧な対応で、色々な意味で僕を疑う事もなく、益々ショップのファンになった事は言うまでも有りません。
以前ブログにも書いた革靴の件もそうでしたが、問題が発生したと言えども、既に使っているものを新しい商品に交換して貰うと言う事になると凄く申し訳無く思ってもしまうのですが、より大事に使わなきゃ、とも思わされます。何よりショップに対する信頼がより大きくなります。
いつか自分の店を持つ際は・・・
「返品、交換は一切受け付けません!」と言う張り紙だけは掲げないようにしようと思っています。