6月19日まで東京・紀尾井町に仮設の建物を建てて行われていた「旅するルイヴィトン展」は、世界有数のラグジュアリーブランドのイメージそのままの見事な展覧会でした。
創業当時のラゲッジケースをはじめ、歴代の様々な商品が場内に展示されていて、中には板垣退助が使っていた名前入りのスーツケースや歌舞伎役者の市川海老蔵さん特注の化粧箱、お茶道具一切合切を仕舞う事の出来るボックスなどの興味深い品々も数多く展示されていて圧倒されました。数十年前に作られたバッグの展示もありましたが、同じデザインで今バッグを作ったとしても間違いなく通用するようなその卓越されたデザイン性に驚かされたほか、ミシンを掛ける工程をはじめ、バッグの制作風景の実演もあり、他の追随を気にも留めない自信と誇りの高さが随所で感じられました。
バッグに携わる者として、やるからにはココを、ココ以上を目指さねば!そう思わされました。
何より長い年月が経っても遜色無く現代まで残るほどの丁寧なモノづくりがされた商品、持つこと自体に大きな喜びと満足を感じられるような商品。そんな商品を作ることの出来る高い技術力とセンスを駆使して、より長く後年まで愛される品物作りに挑まなければなりません。
いつまでも輝き続ける商品を作る事の出来る「仕事」「職種」はそうは無い筈。
バッグと向き合う事に益々の楽しみと喜びが感じられた展覧会でした。