20日の土曜日、僕は小田急線の始発に乗って東京駅に向かいました。結果的に販売中止となり、大混乱が起きた事で大きく報道される事となった東京駅開業100周年記念のスイカを買い求めるためです。
僕はかれこれ30年以上、鉄道の記念乗車券を収集し続けています。もうかなりなコレクションです。今回も記念に、また親戚や友達にも頼まれて買いに出掛けた訳ですが、昨今こう言った記念スイカや記念乗車券を手に入れる為には徹夜をしたり、始発電車に乗って買いに出掛けたりしなければ手に入れられない事が当たり前のようになって来ていました。発売後直ぐにネットオークションサイトでは定価の何倍もの値段でこれら記念乗車券や記念スイカが取引され始めます。明らかに転売目的で並ばされている、並ぶ事が「仕事」と思しき人々の姿も度々目にします。
常々疑問に思っていました。
本来の購入目的から逸脱している・・・
本来、記念乗車券や記念スイカはある事に対する記念に発売されるモノで、その事自体に興味を持つ人だけに買われるべきものです。決して転売して荒稼ぎをするための道具であってはなりません。
5時半すぎから東京駅周辺に出来た行列に4時間以上並んでいた僕も20日は結局記念スイカを手に入れる事が出来ませんでした。販売が中止された後、発売場所である東京駅丸の内南口構内に設けられた特設ブースを見に行きましたが、構内は大混乱し、怒号が飛び交い、異様な雰囲気に包まれていました。JRの販売態勢にもかなりの不備や疑問点があったと僕は感じています。しかし怒鳴り散らす方々はまるで日頃のストレスを解消するかの如く、自分にはあまり関係の無い喧嘩にも関わらずそれに参加してただただ楽しむ野次馬的民族の如く、非常に低レベルに見えました。その光景は悲しくなるほど情けないものでした。
結果的に希望者全員に販売される事となった東京駅開業100周年記念スイカ。
それで良いと僕は思います。
今後も記念乗車券や記念スイカの類は予め購入希望者に申し込みをさせて販売する方法を取れば良いのです。やり取りに手間は掛かるかも知れませんが、購入を希望する人の分だけ制作すれば良いのですから、余分に印刷する必要もありません。不当な値段で取引される事もなくなり、本当に欲しいと思う人だけが購入するようになるはずです。
以前は駅の窓口で予約を受け付けて貰えて販売される記念乗車券もありました。その頃の記念乗車券はあくまでも趣味人のためのものでした。徹夜をしたり、始発電車で出掛けたりしなければ手に入れられないようなモノでは決してありませんでした。
今回の騒動をきっかけに今後、「記念モノ」の販売方法が何かしら変わって行くかも知れません。また静かに収集を楽しめる状況が戻って来る事を僕は切に願っています。