8月22日、大ファンであるTUBEの毎年恒例のスタジアムライブを横浜スタジアムで観て来ました。今回も非常に楽しいあっと言う間の3時間だったのですが、今回はライブを観て作り手とお客様との関係について考えさせられた事があったのでその事について綴ってみようかと思います。
今年、TUBEはデビュー30周年を迎えました。
今年は3年ぶりに新しいアルバムが発売され、更にデビュー30周年の集大成とも言える4枚組のベストアルバムまで発売されました。春からは新しいアルバムと同じタイトルの全国ツアーが1年掛けて開かれていて、その上で毎年恒例のスタジアムライブが別途開かれたのです。
30周年と言う記念の年ゆえか、3万人収容の横浜スタジアムでのライブチケットは即日完売となったそうです。ベストアルバム発売後のライブだった事もあり、久しぶりにライブ会場へ行ってみようか、生でTUBEの歌を聴いてみようか!と思った方もきっと沢山会場にいらっしゃっていたと思います。
30周年を迎えた記念すべき年、しかもベストアルバムが発売され、新しいアルバムと同じタイトルの全国ツアーも開かれていると言う事ならば、別タイトルの今年のスタジアムライブはヒット曲満載のいわゆる「ベスト盤」になるに違いないと長いことファンである僕ですら信じていました。
しかし、ライブは決して「ベスト盤」ではありませんでした。
メンバーのトークからベストアルバムがニューアルバムをはるかに超える勢いで売れている事が不本意で、これまでのキャリアの集大成として作られた最新の曲たちが過去の曲より愛されていない事、聴かれていない事が解せないと言ったような事を感じている事も分かりました。
プロとしての意地ですよね。
俺らはこんな曲を今も作っていて、歌っているんだ!と言う事をしっかり示したかったのだと思います。
少し残念に思いました。
記念すべき30周年。たくさんあるヒット曲を存分に生で聴かせてもらいつつ、30周年のお祝いをしたいと思っていました。デビュー記念日に日本武道館で開かれた、僕は参加する事が出来なかったライブでそのお祝いはすっかり終わってしまっていたのかも知れません。「いま」を見てもらいたいと思った作り手は作り手の意地を通したライブを作り上げました。
TUBEらしい・・・と思いましたが、お客様が何を求めているのか、それを見誤ると途端にそれが「残念」に変わってしまう事を改めて身をもって知ったように思えた出来事でもありました。
作り手のエゴはお客様の不満に直結します。
TUBEらしい・・・と思えた僕は、さて来年はどんなライブを見せて貰えるのか、と早くも楽しみで仕方がないのですが、期待に胸を膨らませていたがゆえに物足りなさを感じてしまった一見さんのお客様はきっともう戻って来ないでしょうね。
期待される事。
期待されている事。
今、伝えたい事。
今だから伝えておくべき事。
モノ作りにおいても同じ事が言えます。
いくら自信を持って届けたとしても、お客様が「あ~買って良かった。幸せだ!」と満足して下さらなかったら元も子も無いのです。そのバランスが実に薄氷のもので、難しいものか、その見極めをいかにしっかりと行うべきか、改めて教えて貰ったような気がしています。